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◎伝統工芸

黒羽藍染紺屋
[栃木県大田原市]

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若き店主の新たな感性を込めて
日々の暮らしに「本物」という伝統文化を

 かの有名な俳諧師・松尾芭蕉が「奥の細道」の旅で14日間も滞在した、大田原市黒羽。歴史とロマンに溢れたこの街に、200年以上「藍」を建て続ける染元があります。それが1804年創業の「黒羽藍染紺屋」。初代・紺屋新兵衛が残した藍甕(あいがめ)を守り、その伝統的手法を現代に受け継いでいるのが8代目・小沼雄大さんです。小沼さんは、県指定伝統的工芸品である「黒羽藍染」が、日常という暮らしのなかでゆとりと寛ぎを与える「本物」として今に伝えられるよう、若き店主ならではの新たな視点から、歴史と伝統に向かい合う日々を過ごしています。

 風情ある暖簾をくぐり、ガラリと引き戸を開ければ、様々な藍染が開放的な和の空間に広がります。手ぬぐいやタペストリー、巾着小物などお馴染みのラインナップのなかでひときわ目を引いたのが、小沼さんが発案したという藍染のスニーカーです。柄はもちろん、色味も同じものがない唯一無二の魅力。見渡せば、髪を結うヘアゴムや空間を彩るアートパネルも藍染でつくられていました。
 「例えば藍染そのものに関心がなくてもスニーカーが好きな方なら、このスニーカーを手にすることで藍染を知る、興味をもつきっかけになりますよね。伝統工芸品を特別なものとして意識してもらうより、若い方にも自然なかたちで気軽に親しんでもらえるよう、自分自身こんなものがあったらいいなって気持ちをベースに、作品づくりに取り組んでいます」

 数年前からは地元中学生を対象とした藍染のワークショップや、同世代の仲間たちと共にコラボイベントを開催するなど、「つくる」だけでなく「伝える」ことにも力を注いでいる小沼さん。移りゆく時代に合わせ、実際の暮らしに寄り添える染物として利用され続けてきた黒羽藍染。長い歴史で培われてきた伝統技術に加え、小沼さんが提案する新しい感性はこれからにつなぐ架け橋となり、私たちの日々の暮らしに確かな「本物」を伝え続けてくれることでしょう。(三上 美保子)

住所/栃木県大田原市黒羽向町88
TEL/0287-54-0865
営業日/10:00~17:30
定休日/木曜

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