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◎和食

星ふる里蔵 稲葉酒造場
[茨城県つくば市]

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筑波山の恵みに感謝しながらいただく
搾り立ての日本酒と旬の野菜料理

 創業は江戸末期。筑波山神社の御神酒「男女川」の酒蔵として知られる稲葉酒造場を6代目蔵元・稲葉伸子さんが引き継いだのは、今から約10年前の事でした。

 「私と姉の二人姉妹でしたし、酒造りは男の仕事という観念が一般的だったので、父は自分の代で終わりにすることも考えていたようです。でも5代続いてきた日本の伝統文化をおしまいにするのは残念に思えて。日本酒造りという手仕事を多くのお客様や後世に伝えたい、という思いで跡を引き継ぎました」と伸子さん。会社勤めを辞め、酒蔵での修行や発酵食品の勉強・研究を積んだ後に蔵元に就任しました。しかし当時は「女性に酒造りが出来るわけがない」という周囲の声や、凍てつく冬の蔵内での仕込み作業に、酒造りの厳しさを感じたといいます。
 「でも元来、酒造りは巫女達が任されていたもの。それに日本酒の奥深さと女性の繊細さが相入れないわけはないと思って、ひたすらまっすぐに頑張ってきました。厳しい寒さも美味しいお酒を思えばこそ耐えられる。それにね、お米を蒸して発酵させる過程ってすごく楽しいんですよ。蒸したお米なのにフルーティな香りがして、しかも日ごとその香りが変化する。最初はボコボコと泡立っていたものが最後にはピチピチとかわいらしい音に変わるところも愛おしくて」。


 そんな伸子さんが丹精込めて造るお酒の代表格が、代々この蔵に伝わる「男女川」と蔵元限定販売の「すてら」。なかでも、筑波山麓の湧水と厳選された酒米だけを使用し、ろ過などの調整を加えることなく搾りたてを詰めた黒瓶すてら3種は、稲葉酒造場の一番人気の商品。「湧水の優しさを生かし、すーっと体になじんでいくような味わいに仕上げました。1号~7号までのタンクによって味が微妙に異なるので、好みのタンク番号を指定されるお客様もいらっしゃいます。このお酒は筑波の自然の恵みそのものなんですよね」。
 さらに、酒蔵を改装して2008年春から始めたレストラン「KURA」も多くの人をこの地へ向かわせる理由のひとつのよう。稲葉酒造場のお酒に合う地場の野菜を使った料理や、ご主人が打つ常陸秋蕎麦を使った8割蕎麦、蔵の酒粕を使った粕漬けの魚や酒粕ジェラートなどなど。オススメのお酒3種が味わえる利き酒セット(500円)もあり、酒好きには長居必至。ここでゆっくり飲むためにわざわざバス便で訪れる人も多い、というのも納得です。
 これまで「男女川」にちなんで七夕会を催すなど里蔵の会としていくつかのイベントを立ち上げてきた伸子さん。「筑波山を背中にここから見る夕焼けは本当に美しくて。晴れた日には筑波山をバックに富士山が見えることも。この景色を見ながら美味しいお酒とお料理を心ゆくまで堪能していただけるような宿泊施設を将来作ることができたら…」と教えてくれました。ホタルや美しい夕景、星ふる里蔵を眺めながらそんなひとときが過ごせる日が、本当に待ち遠しい限りです。(森田)


茨城県つくば市沼田1485番地
TEL/029-866-0020
営業時間/9:00~18:00
定休日/水曜日
*蔵見学を希望の場合は事前連絡が必要です。
*レストラン「KURA」は平日は要予約。土日も予約を入れたほうが確実です。

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