ゆたり倶楽部

[カフェ・レストラン] 記事数：210

◎カフェ・レストラン

茶房　風花
[栃木県さくら市]

木の温もりとやわらかな空気が包む憩いの場所
ギャラリーと茶房、心ゆくまでお楽しみを

　喜連川の名所・桜並木のトンネルを通り抜け、街道沿いから細道へ。すると、味わいのある看板が目印の「茶房　風花」に辿り着きました。

　涼しげに風に揺れる柿渋染め暖簾をくぐり、店内に一歩足を踏み入れると、やわらかな木の香りに包まれます。「実家が木材業を営んでいたので、幼い頃から木々に囲まれた暮らしをしてきました。だから、木にはこだわりがあって…」天井は日光杉、こし板には山桐、床板には姫小松。そんな数々の名木で作られた空間を愛おしそうに見つめながら、オーナーの塚田さんはお話してくださいました。
　自分でできる何かを始めたい―。第二の人生を考えた時、もの作りと料理が大好きだったからと、思いきってこのお店をオープンした塚田さん。喫茶だけでなく、誰もが気軽に立ち寄れるギャラリーとしても楽しんでもらえるようにと、店内には藍染の手拭いや和の小物、木工品の品々が並んでいます。お話をお伺いしている最中も「ちょっと作ってみたんだけど」と、ご近所にお住まいの常連さんが、出来上がったばかりの作品を片手にやってきました。それは、木の枝で作ったという大きな色鉛筆。早速、どの籠に入れようか、どこに置こうかと楽しそうにディスプレイをはじめたお二人。「こうして、手作りの作品を通じて、人とのつながりや新しい出逢いが生まれるのが一番嬉しいんです」

　色鮮やかに盛り付けされたサラダスパゲッティは、旬の新鮮野菜の美味しさとさっぱりとしたテイストが女性に大好評。地産地消を心がける塚田さんのお料理は、どれもヘルシーで家庭的なメニューが中心です。またランチセットのドリンクは、セルフサービスでおかわり自由なので、長居されていく方がほとんど。みなさん、食事とギャラリーの両方を十分に楽しんでいかれるようです。
　木の温もりを感じながら、心から寛げる憩いの場所「茶房　風花」。「これからも、たくさんの人との出逢いを大切にしたいですね」と、塚田さんはそう静かに微笑みました。(m.m.)