ゆたり倶楽部

[カフェ・レストラン] 記事数：210

◎カフェ・レストラン

SETT F+F.Cafe
[栃木県佐野市]

アンティーク家具と
美味しい食事を楽しむために

　住宅街と田園の境界に建つ「SETT F+F.Cafe」は、アンティーク家具好きにはたまらない場所となっています。「遠方から家具を見に来た方に、せっかくだからゆっくりしてもらいたい」というオーナー坂田浩介さんからの“おもてなしの心”が詰まっています。
　店内で使われているテーブルなどのアンティーク家具は購入することもできます。道を1本挟んだ向こうには、展示スペースを兼ねた倉庫もあって、アメリカやヨーロッパで仕入れたものが次の主を待っています。

　オーナーの坂田さんは都内で美容師として勤めてから、24歳という若さで出身地の佐野へ戻って独立。そして30歳のときから「自分でアメリカへ行き、オリジナル家具を作っていた」そうで、何故そこで家具なのかと聞くと、「都内にいるときに色々と出会いがあった」からとのこと。カフェも、その頃からずっとやりたいと思っていたというのだから、独立のために頑張りながら、好奇心旺盛に様々なことを吸収していた様子が想像できます。
　最初は自分でオリジナル家具を作っていたのがアンティーク家具も仕入れて販売するようになり、2013年1月に念願のカフェをオープン。「1日に数組、宿泊もできるようにしたい」というのがこれからの目標のようで、「日本には面白い（宿泊）施設がない」という坂田さんの構想に期待してしまいます。
　坂田さんは常に、美容師という職業からは離れずにいます。だから、「SETT F+F.Cafe」にはサロンもあり、「じっとしていられない性分だから美容師になった」通り、この日もサロンとカフェを行ったり来たり。
　テラスからふと店内を見ると、アンティークの椅子の背中に目が留まりました。その椅子の背中がとても美人で、しばらく美しい背を眺めてしまいました。
カフェの奥へ行けば田園も相まった風景を持ちます。サロンに戻っていく坂田さんの背中も、そういえば楽しそうでした。

　プレートに並ぶ食材の彩りの良さが気持ちをほぐす。敷地内にある畑で採れる野菜も美味しさを担っています。
コーヒーは自家焙煎で、店頭での販売もしているので家でも楽しむことができます。暑い季節には水出しコーヒーも。田園は飽きないし、空間がまるごと美味しい。この空間は、佐野の自慢となりそうです。（T.H）