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[雨は遠いそらの上] 記事数:109

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里山の風景―雨の日は憂鬱

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せっかくの休日なのに、朝から雨。雨の日は憂鬱、と教えられたらそう思い込んでしまう。雨の日だって楽しいことはあるのに。受け取り方ひとつで別の物になってしまう脆弱な物だ、人の中の真実とはな。しかしハメハメハ一族の末裔である私は、雨が降ったらお休みなのである。そして雨がやんだ白い午後に、いそいそと出かけたのである。

雨がやんで木や草に滴がぶら下がり、白い光の中に立ち止まっている風景がぼくは好きだ。世界がしん、としていて、何かがこれからはじまるのだ、という予感に満ちている。
でもそれは僅かなあいだのことだ。すぐに雲間から太陽の光が時にやわらかく、時に差すように強烈に、大地を照らすだろう。そうなれば、みんなだんだんと動き出す。
  
   
太陽の熱を浴びて山が水蒸気の煙を吐き出す。ぼくはこの光景も好きだ。ゆらゆらと揺れながら上がる煙をぼんやり眺めながら、その上がっている場所に今すぐ行けたら素敵だなあ、と思う。
  
でもそれもすぐに終ってしまう。雲が切れ、くっきりとした青空が見えたら、気づいたら世界はいつものように動き出しているのである。雨上がりは、ねじを巻きなおすような時間だ。
 
私の先祖達も、草の葉っぱがだんだんと乾いていくのを名残惜しそうに眺めて、完全に水気がとんだのをよく確認してからやっと身体を起こして次の雨を待ちわびたのだそうだ。雨の日は憂鬱のはずなのだが、雨が好きなのか嫌いなのかよくわからなくなってしまった。
  

 

  
   
  
 
 
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» Tags:里山の風景,

Trackback(0) Comments(5) by 雨|2008-03-14 01:01

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