新美南吉さんの作品というと、きつねの親子を思い浮かべてしまうのですが、こんな作品もあったのか!と感動しました。
そして共感しました。
もし気になった方は「でんでんむしのかなしみ」で検索してみてくださいね。
2年前の私は、まるで、このでんでんむしと同じでした。
私だけがつらさをいっぱいかかえている気になっていました。
今思えば。
私にとって、当時は幼稚園のPTAが世界の全てでした。
人間関係の軋轢から息がつまりそうになったり、理解し合えない悲しみを抱えたり、自分のどんくささを嘆いたりしていました。
気負いと現実の溝がどんどん深くなって、気持ちがギリギリのところで、私は今までの悲しみとは問題にならないくらいの悲しみと出会いました。
姪のなっちゃんが亡くなったのです。
2年前の今日。
お母さんの抱っこで安らかに眠るように・・・。
生まれてからずっと、一人で保育器の中で病気と闘って。
懸命に頑張っていたなっちゃん。
私は自分の人生の軽率さを恥じました。
なっちゃんの亡くなった翌日、私は今の仕事につく第一歩ともいえる、セミナーに参加することになっていました。
悲しくて眠れず、泣きすぎて頭痛がおさまらず、しかも子連れの参加。
初めての首都高運転。
多分それまでの私だったらあきらめていたいろいろなことが、まるで矢印を持ったみたいに進み始めました。
今の私がいるのは、協力してくれる家族、応援してくれる友達、力を貸してくれる仲間や先輩のお陰です。
そして、あの日涙で初対面したなっちゃんの存在があります。
なっちゃんとの短いさよならの後。
私は空を見上げることが増えました。
なっちゃんがこの空のどこかで私を応援してくれているような気がするから。
それから、心の底から「ありがとう」と言えるようになりました。
遅まきながら、みんな悲しみを抱えながら生きていることが理解できるようになったから。
そんな中でも出会えたことに感謝して、心から「ありがとう」という気持ちになります。
わたしはもう2年前のでんでんむしではなく、ゆっくりゆっくり進むでんでんむしになりました。
多分・・・これからも、こんな感じで進んでいくのだと思います。
焦ったり、迷ったりしたら、「でんでんむしのかなしみ」を何度も読むことでしょう。
多分。・・・いや絶対に。
Trackback(0) Comments(2) by つき|2009-01-18 21:09
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