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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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芝居を2本ハシゴする。
マチネは、以前共演させていただいた
M女史の出演するお芝居。
特攻隊の話だと聞いて、
こういうネタは、いつでも関わりたいと思っているので
楽しみに(興味を持って)みにいった。
切り口は面白いのだが
前半はひたすらテンポが悪く、
気絶しそうだった。
が、後半、ある年配の女性が出てきた所で
いきなり客席は凪のように時間がとまった。

戦争を扱うのは難しい。
現代人が演じるには
どうやっても、どこか真実味に欠けてしまうだけではなく
それが、現代人にとっては気恥ずかしさにつながっていく。
かつて、日本人全員が体験した苦しい時代を、
恵まれすぎたわれわれがどう表現するのか、
難しいだけではなく、
どこか、罪悪感にも似たものが付きまとってしまう。
そして、観ているほうも、
「こんなもんじゃないんだろうなあ」と、
どこか引いて見てしまったりするのだ。

しかし、69歳の女性がでてきて、戦死した夫のことを語る部分、
そして、夢で夫と出あったと語る部分は、
演技ではない、信じざるを得ない力がある。

もちろん彼女自身は、終戦の年に4歳、
夫が戦死したわけではないのだが
それでも、当時を生きていた、
きっと、ご両親から聞いた話なども多いだろう、
それだけで、舞台で当時を語るに、
充分な存在感。
でも、もちろんそれは、「当時を知っている」ということだけではないだろう。
その「なにか」がわからない。

それにしても劇場の中が寒すぎる。
暑いよりはいいとおもって、
クーラーをマックスにかけるのだろうが、
特攻隊のお話を、キンキンの冷房の中で聞いている私たちって・・・。
べつに、ストイックになることではないだろうけど・・・

劇場のかには、はじめ当時と現代の温度差だけではなく、
舞台の上と客席の温度差もあった。
冷房が効いていない状態でこの芝居を見ていて
「暑い」と苦情が出たら、失敗なのだろう。
切実に考えなければならない問題に対面したとき
私たちは暑さも忘れ、
目の上に流れる汗をふく余裕もなくなる。
ほんとうに、69歳の女性の語りには
客席全体がぴたっと、凪のように、聞き入ったのだ。

家で、戦争物のドラマを見ているときも、
映画館で見ているときも
おばあちゃんの体験談を聞くときとおなじように、
簡単に言ってしまえば
ポップコーンを食べる手が止まらなければ嘘だろう。

69歳の女優さんへ、ぴたっと体をとめて、
息を潜めて向かいあった瞬間は、
その時代に向かい合った瞬間のようだった。

~本日のありがとう~
お願いして、映画上映会のチラシを折込ませていただいた。
ありがとうございました。

Trackback(0) Comments(1) by 鯨エマ|2010-07-18 09:09

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