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[木を植える音楽] 記事数:12

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第3話 「君はみてる」ミナクマリさん

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 宙(そら)を舞う幻想的なシタールの音色、言霊となり胸に響き渡る甘く儚い歌声。目を閉じて、流れゆく音楽に身を委ねてみると、ミナクマリさんの世界にゆっくりと心が溶け込んでいくのを感じます。夢と現実の狭間でゆらゆらと漂う歌、ミナクマリさんの「君はみてる」。
 あの時の正直な思いを嘘偽りなく、そのまま歌にしたからこそ、リスナーに痛いほど伝わるこの1曲に「結論」はありません。そこに存在するのは、ミナクマリさん自身が漠然とした戸惑いを抱えた「もう一人の自分」でした。

 奇遇にも「木を植える音楽プロジェクト」の発起人である2tree cafeのオーナー、倉本さんと同じ岡山県倉敷市出身のミナクマリさん。初めてのアルバイト代で彼女が手に入れたのが、1本のギター。それから独学で音楽活動を開始しつつ、やがて語学の道へ進学することに。様々な民族音楽と出会いながら、アジア・アフリカ語学院でヒンディー語科を習得した後、さらにインド紅茶専門学校を卒業。滞在先のコルカタで、シタール奏者・モニラルナグ氏に師事し、本格的にシタールを習い始めます。日本語・ヒンディー語・英語を織り交ぜ、表現豊かな音楽性を確立。シンガーとしてだけでなく、ティー・ブレンダーとしても活躍する多才なミナクマリさんは、興味をもったらやってみる―まさに、有言実行の人です。
 インドを代表する弦楽器、シタール。19本の弦からなり、独特のミュートがかかった神秘的で不思議な音色が特徴のこの楽器の魅力について、ミナクマリさんはこう語ります。
 「シタールをインドの人が演奏している姿を見ると、その背中に古くから代々伝わってきた背景を感じとることができるんです。伝統や歴史、過去から今。世界が宇宙と一体になれる世界観がこの音色に込められているんでしょうね」
 自分の気持ちに正直なミナクマリさん。作曲スタイルにも、彼女のその自由な生き方が現れています。瞑想する時もあれば、夢から覚めてすぐの時も。今回の「木を植える音楽プロジェクト」に向け制作した、「君はみている」は散歩している最中に誕生したそうです。
 「倉本さんとは、小川さんのご紹介でカフェライブをさせていただいてからのお付き合いで、『木を植える音楽』をリリースすることになった早い段階のうちに、お誘いを受けました。もちろん、即答でしたよ」

 東日本大震災直後からアーティストとしての支援活動の他にも、立ち寄った先で募金をするなど、一個人としてできるだけのことをしてきたミナクマリさん。それでも自分が曲をつくり、歌をうたうことがひとつのかたちとなり、被災地に木が植えられるというこのプロジェクトの取り組みは、彼女にとって初めての試み。そして、何気ない日常のなかで自然とあのメロディが、ミナクマリさん自身に宿ったのでした。
 「この歌は、決して前向きなものではないかもしれません。あの頃抱いていた正直な自分の思いを、そのまま歌にしてしまったから。当時は私だけじゃなく、みんながそれぞれにこれからどうしていいか分からないって、辛い思いを引きずりながら日々を過ごしていましたよね。それでもきっと、何か救いを見いだせるものがあるはずとこの歌に思いを込めました。気持ちの整理がついた今でも、私はそう信じています」

 互いに寄り添う母と子―。そんな、ごくありふれた風景から、心の奥底に存在するもう1人の自分の姿を描いた「君はみてる」。もう1人の自分とは、ミナクマリさんにとって肉体でなはく、魂そのもの。「本来の自分」をテーマにアーティストとして表現してきた彼女は、リスナーが魂にアクセスできる瞬間を叶えられるライブ活動を大切にしています。ツアーは全国規模、北海道から九州まで。「木を植える音楽」はミナクマリさんと共に、どこかの誰かの心に届き続けています。
 「自分のなかにいる魂とふれられたら、それはきっと幸せなことだから」
 過去も今も、全てはこれからにつながっていることを受けとめ、優しく包み込んであげる気持ちを忘れない。「君」は「私」、魂のつながりを愛おしむことが、戸惑いから救いへと私たちを導いていく第一歩なのかもしれません。(m.m)



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