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[川の生き方・僕の生き方] 記事数:21

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「ブ~~~ン ジャッジャッジャ」

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時間はAM6:50
どんなに疲れていようと自動的に目が覚める。
おもむろにカーテンを開けると気持ちの良い、いつもの光景が目に入る。
でもいつも気持ちが良いなんてことはない。
傍からみればホノボノとした風景でも、サービス業の僕にとって、溜まった疲れを睡眠でカバーしようとしているときの朝は、10分でも30分でもとっても重要なときもあるからね。


正体は20艘以上の和船の軍団。
ここは有名な「やまとシジミ」の漁場である。なんと涸沼から涸沼川にかけて
200艘以上の漁師が手掻きでシジミを獲っているのだ。
特に僕んちの前は塩分濃度や流れが適度に逆流する関係で、漁の一級ポイントになっている。
シジミが好きな人は多いと思うがココのシジミを食べたらとてもじゃないが他のシジミは食べられない。本当に美味いのだ!!いつも本物の「やまとシジミ」を見ているせいか、某スーパーとかで「○○産」とか表示してあっても確信をもって「あきらかに○○だな~」と見分けられるほどになってしまった。ちなみに1センチ程度の殻の大きさで涸沼産なんて表示してあったらそれは絶対に嘘物だよ。機械ではなく手掻きで獲っているので小さいシジミはそもそも獲らないのだから。

でも毎日毎日この光景を見ていると「そのうちシジミが居なくなるんじゃないかな~」なんて疑問に思うのだ、そのとおり1漁師あたりの漁獲量は激減しているんだって。
古い漁師さんは「昔は船が沈むほど獲れた」と口を揃えて言っていて、獲れなくなる理由が「漁するやつが増えすぎて・・」ということ必ず言ってる。併せて「この涸沼ではつい何十年か前まではニシンの漁も盛んだった」とも言う。湖でニシン漁??凄すぎだよね。でもそれ以外の理由を探ろうとしないのが僕にはいつも不思議に映る。

30年以上にわたるフィッシングのキャリアを持っている僕は、ストレートに
①水質・土壌・水際周辺環境の状態はどうか?
②その水質に至るいくつかの原因は「何」か?
③その原因を取り除くには「何」が必要か? 
④取り除けない場合「何」を付加する必要があるか?  
を考える癖がついているせいもあるけど、そもそも川下(河口)の状況のほとんど全てが川上(上流)・川中(中流)のいわゆる上流部に目を向けると答えが見つかったりするものだ。
でも古い漁師さんは探求しない・・獲れなくなったら「昔は良かった」で片付けちゃうのかな~・・。
次世代に重要なバトンは渡さないのかな~なんて考えたりもする。

涸沼の水源付近、笠間では確か2000年過ぎに美しすぎる湖「ふじみ湖」が産廃施設に変わった。ジンクリアー(透明度の極めて高い)のドキドキするほど綺麗な水質だっただけに反対運動もあったし僕がパーソナリティーを努めるFMラジオでも問題提起したけど、良い変化は欠けらもなかった。今更だけどもしあの時に川下の漁協や住民の方たちが一丸となって川上の工事に対する反対運動をしていたら大きな変化に繋がったかもしれない。現実的な利権のある方たちの言葉は必ず重みを増したはずだから。でも何もなかった。おそらくこのような事実すらも今も分からないままだ。

「昔は良かった・・」で、そのツケは僕らの世代が背負っていくのだろう・・。

冷静に考えると嫌いな言葉
「ま~ま~水に流そう」
精神的なモノを流していた昔は確かに良い言葉だったかもしれないけど、物質的なものを流し始めている現代では、使っちゃいけない言葉かもしれない。
川上から川下へ流れても、涸沼川は上げ潮で川が逆流するのだから。

いよいよ人様が何百年にもわたって流し続けた「何か」が涸沼川河口に住むことで見えてくるかな!?

» Tags:River, Home,

by マーサカワマタ|2007-10-29 19:07

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