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[川の生き方・僕の生き方] 記事数:21

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大先輩

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毎年5月から10月まで決まって家の隣にある電柱を根城にしているカモメのシルフ(何故か頭に浮かんだ名前)。
越したときから毎年くるので、このあたりの空の番長気取りなのだろう。
何で同じ場所が気に入っているのか聞いてみたけど、僕に睨み利かせるだけで反応がない。いやシルフも意識している。そのうえでやたら堂々としているのが気に入らない。しかも可愛くないことに咥えてきた魚を家の芝生に落として知らんふりだ。ピクピクしてる魚を投げてやっても「そんなもん食えるか!」みたいな態度をとってまた狩りにいく。いったい僕にどうしろっていうのか・・。でも夏の台風のときでさえも家から離れようとしないんだから、この場所が気に入っているのだろう。


鳥っていえば家の前はサギたちの休憩場所になっている。この方達もぼくの先輩。昼間は周りの田んぼでドジョウやらザリガニなんかを食べて夕方から朝まで休んでる。でもこのサギたちが1番嫌な時間は夜なんだ。今まで市内に住んでたときには気にもしなかったけど、夜休んでいるときには野良猫(実際は飼われている)や野良犬(夜になると放す飼い犬)に命を狙われる。近くの林はカラスに占領されているから身の休まる時間が無い。極めつけは釣り人だ。鳥が居る場所は魚が居るっていうんで、休んでいる鳥達をどんどん蹴散らす。群れているカモメやウミネコは魚の居る目印になるけど、休んでいるサギたちは魚が居る目印には一切ならない。浅知恵って恐ろしいものだ。特に最近のシーバスブーム(鱸のルアーフィッシング)でイケイケの大人たちはタチが悪い。他人の土地だろうが道路上だろうがお構いなしに車を止めて、近所の畑の中までズカズカ入ってくる。僕もフィッシングが大好きで、以前はフィッシングショップもやっていたから釣り人の気持ちも良く分かる。当時も一人一人のお客様に釣り場に行ったさいのモラルも充分に説明してきた。でも自分がその場の住民になると、釣り人側からの気持ちなんて、なんのケアーにもならないことに心底気付いた。サギも住民も生活そのもので、遊びの延長とは交わらないってことを。

ま~そんな人間の業を100年以上見てきた大先輩が家の前のケヤキの木。このあたりに生えている最後のケヤキの木。隣のおばあさんが「昔はもっと立派なケヤキが何十本もこのあたりに生えていたけど最後の木になっちゃった~」とシミジミ言っていた。

そして「まーさーの土地はむか~し昔は渡し舟が出てて川守の住む場所だったんだ~」だって。ふ~んってことは僕がこの場所を選んだんじゃなくて、この土地が僕を選んだのかな・・・。人生を掛けるには最高の舞台が誰かに用意されたってことだな。

» Tags:カモメ, サギ, ケヤキ, 渡し舟,

by マーサカワマタ|2007-11-05 10:10

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