ご利用規約プライバシーポリシー運営会社お問い合わせサイトマップRSS

[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

< 次の記事 | 前の記事 >

鎌田慧さん出版記念パーティー

このエントリーをはてなブックマークに追加

ルポライター、鎌田慧さんの「声なき人々の戦後史」上下巻の
出版記念祝賀会が開かれました。
東京新聞の「本音のコラム」で、毎週火曜日の担当をなさって
もう何年になるのだろう。
私の知る限り、誰よりも長いです。
原発のこと、労働者のこと、ハンセン病のこと、
いろいろなことを、現場に足を運んで、その惨状をレポートしている。
79歳の今も、日本中飛び回って、草の根で頑張り、苦しむ人たちのことを
伝えてくださっています。

私が知り合ったのは、ある大学の公開講座を受けたことがきっかけでした。
当時30代半ば、東日本大震災の前で、私は今ほど社会運動にかかわっていなかった頃です。
全ての話が新鮮な驚きとショックでした。
あれから毎年年賀状をくださり、
芝居の案内を出すと、お忙しいのに、返事をくださるときもあります。
今回の祝賀会については、ご案内ハガキをいただいたとき
私はちょっと違和感がありました。

鎌田さんとパーティーというものがどうしても結びつかない・・・・・
でも、案内状を呼んで納得、行って見てさらに納得しました。

案内状には呼びかけ人になっている方たちのメッセージがありました。
鎌田さんはこのような出版記念祝賀会を
いままで一度もやったことがないというので、
あえて、私たちが企画しました、、、という内容でした。

本を拝読したい気持ち、そして何よりお祝いしたい気持ちもありましたが、
会費が私にとっては高くて少し迷いました。
でも、いつも、険しいお顔の鎌田さんばかりを拝見しているので
こういうお祝いの席でお目にかかるのも悪くないかなと思って
思い切って出席の返事を出していました。

残業して帰ってきた夫に子どもを頼み、遅刻して参加。
なんともはや、物々しい舞台に金屏風。
ごうかなお料理がたくさん出ていました。
私は普段、肉(とくに牛と豚)はほとんど食べません。
命を食べるという意識でいると、必然的に食べるものは
穀類と野菜が主流になってきます。
(もちろん、野菜もコメも命ですが)
それで、並んだお料理が肉ばかりだったので、これにも躊躇したのですが
昔、お祝いの日だけ羊を殺すという
聖書のなかの場面に似た気持ちになり、
今日は「食べてみようかな」という気持ちになりました。
小さな洋風のおわん型の器にデミグラスソースで煮込んだ牛肉が入っていて、
パイで蓋がしてあるのです。
食べるときはパイを破るのですが
これがすごく食べにくい。
中のお肉を食べると、あとのソースもパイもほとんどの人が食べ残しています。
私は手を使ってパイを剥がし、それに残りのソースをつけて、全部いただきました。
こういうのは、きっと行儀が悪いのでしょうが、
そうせずにはいられませんでした。

木内みどりさんの司会でプログラムは進み、
沢山の方かのスピーチがありました。
1冊の本を出すエネルギーというものを垣間見た気がしました。

後半では海勢頭豊さんのライブ。
歌の歌詞に、もういちど聞かせてほしいと思って
タイトルを覚えようとしたのですが、メモしなかったので忘れてしまいました。
鎌田さんは、舞台面の床に座って、耳を傾け
感無量な表情でいらっしゃいました。

二時間の祝賀会の最後に、鎌田さんが挨拶をしました。
今の政権への危惧と、それに対抗する、あきらめない思いを話されました。
そして、、、
「会費が一万円もして恐縮している
本当なら自分がベストセラーを書いてみんなを招待したいのに・・・」
とおっしゃいました。
自分が主役の祝賀会に、うれしさと居心地の悪さを感じていらっしゃったのかもしれません。
でも、最後に奥様が舞台上に並ばれて、
鎌田さんは自分がもらった花束を奥様にあげていて、
とても、あたたかい気持ちになりました。
それを見守る200人近い人々のまなざし。
私たちは、こういう小さなコミュニティのつながりから
大事にして行かなければならないんだなということを
感じる時間でした。

海勢頭豊さんのライブ
image
奥様と並んで・・・
image

私たちはいったいどこへ向かっているんだろう。
どこへ連れていかれてしまうんだろう。
そして、何ができるんだろう。

そういう終わりのない疑問と不安に
きっと、この本は、勇気をくれると思います。
「声なき人々の戦後史」上下巻
(藤原書店)
これから読みます。

Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2017-10-29 00:12

[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

< 次の記事 | 前の記事 >

ゆたりブログ



「ゆたり」は時の広告社の登録商標です。
(登録第5290824号)