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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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笑顔の裏側

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先日、山谷の夏祭りに誘われて、南千住の玉姫公園に足を運びました。
荻窪で用事を済ませた私がたどりついたのは、
盆踊りも最後の曲になり、ビールもジュースも売切れたころで
道路には酔っ払ったおじさんたちが寝そべっている状態でした。

お祭りは、次の日も続くということで、
うきうきした雰囲気の中で、後片付けなどが行われ
ビールにありつけなかった私は
仲間と一緒に公園の外へ出ました。
正直、遅れてきたこともあって、お祭り気分に乗れなかったし
早く人ごみから離れたいなという気持ちもありました。

公園の前の道に、ねっころがったおじさんがいて、
その先に、犬を連れた女性がいました、
私は人ごみからはなれて、犬のところに行き、しゃがんで犬に話しかけたのですが
そのとき、すぐ横にいた初老の男性が
私が犬に触るのと同じように、首筋に手を伸ばしてきました。

私は反射的に飛び退くと、その人は、腹立たしげに私に汚い言葉を投げつけて
そばにいた、私の仲間になにか私のことについて話していました。
後から聞くと「同じ人間なのに・・・云々」ということらしかったのですが、
このお祭り自体がホームレス支援のイベントであり
支援者と当事者が、一緒に楽しく過ごす時間であるべきなので
私のとってしまった行動と、もう、どうにも笑うことなどできない強張った表情は、
彼の楽しい気分をぶち壊したのでしょう。

私が反射的に逃げたのは、相手の身なりがどうこうということが理由ではありません。
(たしかに充分きたなくはありましたが・・・)
仲間はうまく、その男性とおしゃべりし、おかげで私は
それ以上悪態をつかれることはありませんでしたが
とっさに切り返せない自分は、情けなかった・・・

知らない人に、気軽に触れられることに抵抗があります。
たぶん、小学生1年の時から、電車の中で痴漢に遭い続けたこと、
逃げても追われ、お尻をわしづかみにされ、服の中にどんどん手を入れらる・・・
そういう経験で、親しみを込めたスキンシップまで拒否するようになったのか、
この年になっても、そういうときの鳥肌は、簡単には消えないのです。

さて・・・・

そんな後味の悪い山谷夏祭りの翌日、
そのことが多少心にひかかったまま、
私は読みかけの本を読み終えるために、
クソ暑い昼日中、ページをめくっていました。
2月に労働組合を立ち上げてから、様々な方に会うようになりましたが
そのなかでも最近知り合った、白崎朝子さんの著書で
「介護労働を生きる」という本です。

その本の最後のほうにドキンとする文がありました。

「私はむしろ、むやみやたらに笑わない援助者のほうが信頼できる。
そういう私は喜怒哀楽が激しく短気である。怒りの感情が強すぎる。
しかし、怒りを抑圧して作り笑いするより、怒りを率直に表現し、
怒りの原因を改善していくというコミュニケーション方法を取る努力をしている。」

抑えていた感情も、言葉にできなかった思いも、
こうして他人に文章にされると、
ショックを通り越しておもわず笑ってしまうわ・・・

笑顔は、とかく女子は強要されるものです。
子どものころから「とりあえず笑っていなさい。」と
まるで処世術のように言われます。
それが職場でも社会でも求められ、
いろいろなめんどくさい感情を隠せるようになる人もいるでしょう。

しかし、それがどうも、しっくりこない人もいる。

人とうまくやってくために、「笑顔」はたしかに大切です。
ところが、ある時期から私は、
あらゆる現場で気軽に笑顔を作らなくなってしまいました。
演劇の現場でも、福祉の職場でも、日常のあらゆるところで。
べつに、ぶすっとしているわけではありませんが、
人とうまくやるための手段として使わなくなった、
否、使えなくなったというほうが正しいかもしれません。

結果、「こわい」とか、「きもちわるい」といわれることもありますが
表情が作れない分、とりあえず、動くしかないな、と・・・。

笑顔の素敵な人には、それでもやはり憧れます。
こうして、周りの人を幸せにしているんだなと、羨ましくさえありますが
同時に、私は、無理ができないことを自覚して、
私なりのコミュニケーション方法を探すしかないと、
開き直るのです。

同じように感じている人もいると
なぜか、安どして読み終えた、真夏の一冊・・・

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~本日のありがとう~
にわか雨に襲われた。
パソコンを包むためのビニール袋をくれた、レジのおばさん、ありがとう。

Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2013-08-12 12:12

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