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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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冬の色

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黄緑色のセーターが欲しくて
新宿のデパートを歩きまわること、2時間半。

ない・・・・・。

店員さんたちも一様に、
「おいてないんですよ~~、こちらは?」
といって出してくるのは、
みな、くすんだ色か、黒か焦げ茶。
そこに、ワンポイント、赤。
「明るすぎず、暗すぎず、どうですか!」
はあ・・・・・そういうんじゃないんだよなあ。
やはり、ユニクロに行かなければダメなのか?!
しかし、たまには良いものを買いたいので
ここで、ユニクロはまずいだろう・・・と、心の中で一人戦う。

それにしても、最近はどこのデパートに行っても
2枚目の店員が多いこと多いこと・・・。
化粧品売り場にも、ワイン売り場にも、モデルみたいな男性が建っているのは、
やはり、女性の購買意欲をそそるためなのだろうけど、
熟年の、それなりにキャリアのありそうな店員さんが
扉のソバにまるでガードマンのようにたたずんでいるのを見ると
少々さびしくなる。
もっと、中央へ行ってくださいよ!中央へ!!

色の話に戻します。

寒さをイメージする色は難だろう。
気温の寒さだけでなく、心の寒さをイメージするものは?

昨日から始まった、ワークショップでは、かの有名な「罪と罰」を題材にしている。
ひたすら、ひたすらディスカッションのなか
演出のM子さんが、この話の色は?と聴いてきた。
モスクワというだけで私はグレーを連想してしまう。
なんとなく、寒々しい、陰鬱とした、
しかし、あの婆さんを殺すシーンで鮮血がほとばしることを想像するに、
バックになるのは、それを映えさせる、薄いグレーなのだが
ある人は、雪の「しろ」といった。

実はこの話は、夏の設定なので、
勝手に私たちがイメージしてしまう寒々しさは、
主人公の胸のうちや、「殺人」という事件そのものから来る
イメージなのだろう。

3時間後、ようやく、私は明るい色のセーターを買うことができた。
店員さんが包んでくれるのを見守った。
デパートの中は、不況、リストラ、失業、などという言葉を
まるで感じさせない、明るい笑い声であふれている。
何万もする服が飛ぶように売れているのだ。

デパートの包みを持って外に出ると、
汚い服を着た、いかにもホームレス風の人が
壊れそうな自転車に乗って、
道行く人々に体当たりしながら走っていた。
複雑な気持ちになった。
みんなが笑顔でクリスマスや年始を祝うということは、
本当に無理なことなのだろうか。

昨日の温かさとはかわって、今日は少々肌寒い。
ここから、さらに、3月上旬までは寒い日が続く。
なにかとイベントやお祝い事の多いシーズンだが、
あかるい色合いの冬になればなあと、
無力ながら思う。

~本日のありがとう~
かんじゅく座講師を1日引き受けてくださった林さん
どうもありがとうございました。
初めての男性講師で
座員の皆さんにとっても新鮮だったことでしょう。

by 鯨エマ|2008-12-23 16:04

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