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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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献血

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音源の受け渡しのため、新宿駅へ。
帰りに、西口ロータリーを通る。
ここでは、いつも献血ルームの前で、
男性スタッフが叫んでいる。
しばらくやっていなかったので、
よることにした。

数値は200mlか400mlか、微妙なところだが、
もちろん相手は400を採りたいわけだ。
最初に測ったヘモグロビンが足りなかったのだが、
別の機械にかけて、基準をクリア。
コップ2杯分の血液をとることになった。

いままで、たくさんの献血ルームで血を提供してきたが
この、新宿西口は、場所柄、のんびりとした雰囲気はない。
時間のかかる成分献血もできないし、
「ゆっくり休憩してからお帰り下さい。」といわれたって
狭すぎて、そんな気になれない。

新宿東口の紀伊国屋書店の横なんかは、
もうイベントコーナーと化していて
ビデオが見れたり、雑誌が読めたりはあたりまえ、
曜日によってはタロット占いまでやっているという。
そういうところは若いカップルが多い。
お金のかからない、おやつつきのデートというわけだろうか。

アミューズメント的な要素がない代わりに
西口は、手際よくぱっぱとことが進むのがいいところ。
来ている人も、サラリーマンが多い。
移動中に、背広のまま、社会貢献。
なんと、美しいじゃないの!!

8年ほど前に「いい血、炊き出し」という芝居をやった。
献血ルームの看護婦と
その周りに住むホームレスの交流の物語。
あの芝居をやっている最中に、私の演出に納得いかなかったのか、
ずっと、機嫌の悪かった役者がひとりいた。
彼女は稽古中、私の話を無視しただけでなく
本番のカーテンコールのときも、ずっと、仏頂面だった。
ひとつの芝居をやるのに、大切なチームワークを、
私は演出として、図れていないのだなと、
自分の至らなさを痛感した芝居だった。

芝居を始めて15年、随分たくさんの仲間が離れていき、
たくさんの仲間ができたなあと、
血を採られながらしみじみ思った。
献血ルームから出ると、雑踏の中、知っている人はいない。
こんなにたくさんの人間がいる。
知らない人のために献血するという行為、
身近にいる人さえ、満足させられなかったあのとき、
人の縁は不思議だなあと思った。

~本日のありがとう~
試写会1日目、受けつけを手伝ってくださった2人のM女史、
ありがとうございました。

by 鯨エマ|2008-10-28 15:03

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