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[ゆたりストに学ぼう] 記事数:52

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人とのつながり、
そこから生まれる
優しさとパワーをもとに

丘の上のマルシェ実行委員会 代表
[大子町]

Yutarist
木村 勝利さん

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 「場所はグリンヴィラにしましょう。マルシェの始まりはグリンヴィラなので!」思い入れのある大切な場所に招待してくださったのは、大子町で行われている『丘の上のマルシェ』の実行委員会代表の木村勝利さん。寒空の下、大きく手を振って待っていてくれました。この木村さんの大らかなやさしさが『丘の上のマルシェ』の温かい雰囲気、ゆったりとした時間をを端的に表現しているのだと直感しました。

 木村さんは大子町の商店街で写真店に勤務しています。自分の故郷、大子町を活気づけたいという思いから、町内のイベントの企画・立ち上げだけでなく、大子町以外の地域イベントのヘルプなども、ライフワークとして精力的に取り組んでいます。
 3年程前から、栃木県各地のイベントに通う中、街を活気づけようとがんばる人々に出会い「何かしなくちゃ、このままでいいのか?」という思いに駆られたこと、「大子のこんないい場所で何かできないだろうか?」という熱い思いが、マルシェをやってみようというきっかけになったと言います。
 自分の街を外側から眺めてみて、自ら足を運び、自分の目、心、で新たな街のあり方や仲間を日々探している木村さん。私が木村さんとの出会ったのは、2012年6月。
 「大子町で丘の上のマルシェというイベントをやるのですが、出ていただく方は募集ではなく、自分で直接会いに行ったり、電話で話したりしてお願いしているんです」という話に、想像と興味がかき立てられました。イベントの作り手が一つひとつ選んだ品々が並ぶマルシェ一体どんなものになるのだろう、期待で一杯になりました。

 2012年9月9日。まだまだ暑い大子広域公園。山を少し登った丘の上にやさしい雰囲気が広がっていました。緑の美しい広々とした公園に、ぬくもりのあるクラフト・アート、愛着を感じる骨董品、美味しく体に優しい食べ物、やさしく流れる音楽と手作りのかわいらしいフラッグが風になびいていました。

 クラフト市やマルシェに家族でやってくると、ママはパパと子どもに気を取られ、ゆっくり作品を見たることもままならず、作家さんとの話も落ち着いてできない。そんな経験が、クラフト好きのママやパパには一度は経験があるのではないでしょうか。しかし、このマルシェは違いました。
 子どもが思いっきり遊べる遊具、パパと子どもがゆっくりくつろげる椅子と木陰になるテント、子どもが大喜びで遊べるミストシャワーやワークショップも用意されていて、ママたちはゆっくり作家さんと話をし、作品を見ながら、おいしいフードも味わえます。出展者も「販売」ではなくその場や来場者とのコミュニケーションを楽しんだりしているからか、作品も穏やかな表情に感じられるのです。

 心から優しい気持ちになれた1日でした。ゲストが楽しみ、出展者が楽しみ、チャンスや仲間を増やすことができる、その場に集うすべての人の事を考えたやさしいマルシェ。木村さんとゆっくりお話をして、この『やさしさ』は『木村さんの人柄そのもの』だと改めて確信しました。マルシェの思い出の写真を沢山並べながら、嬉しかったこと、楽しかったこと、苦労したこと、仲間のこと、木村さんは、温かい眼差しで丁寧に話してくれました。

 2012年、2回目を迎えたマルシェは、前年とは場所を変えておこなわれました。様々な事務手続き、予想できない天候、そしてお客様の足の運び…イベント作りにはつきもののプレッシャーを自分の足で切り拓くように、一軒一軒丁寧にお願いして歩くのが木村さんのスタイルです。

 「木村さんのそのパワーの源はどこからくるのですか?」と質問すると、「人に会う楽しさ、同じ方向を向ける人と色々共有できるし!」と笑顔で即座に答えが返ってきました。
 「仲間が集ったり、人が集まったりする中で、何か人にきっかけやつながりなどができるといいなと思って。例えば作家さん同士が仲良くなるとか、一緒にイベントやるとか、作家さんや出展者が輝ける、背中を押せるイベントにできたらなって思っていまいます」そして、こう続けます。「みんなには、本当に、本当にお世話になっているんです」。仲間との集合写真を見ながら穏やかに語ってくれました。
 来てくださるお客様、そして出展してくれる方、イベントを共に作り上げた仲間。木村さんの言葉は、誰にも対しても優しさと感謝にあふれています。「これ、どうぞ!」と手渡してくださったのはフライヤーの残りで手作りをしたメモパット。そこには「ありがとう」という手書きの文字。木村さんらしい気持ちの伝え方に心が温かくなりました。

 「マルシェは出会いの場。人との出会いで生活が豊かになったんですよ」と、とても嬉しそうに話してくださった木村さん。
 そして、何よりも、木村さんが想いを込めて話してくださったのは、今まで、何度誘ってもイベントの参加に興味を示さなかった1人の若者が、今回マルシェに参加し「来年は企画から参加させてください!」と言ってくれたことでした。
「何よりもご褒美でしたよ!」と大子町を共に盛り上げていく若い力、仲間を得た喜びを深く感じていました。

 一人ひとりの力は大切です。でもその力をまとめていく人材の大切さを感じることができました。一人の人に希望を与え、「つながりあえた」ことに喜びを感じ、次の新しいつながりやワクワク感を求めてどこかの街へ。仲間を求め『キムラトラベル』は今日も続きます。

 そして、さらに、大子の街中から情報や新しい変化を発信できる『若者のアジト的』Cafeを、故郷を愛する仲間とともに立ち上げている真っ最中とのこと。『マルシェ』と『アジト』、これからの大子町がますます楽しみです。(K.KOYAMA)



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