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[ゆたりストに学ぼう] 記事数:52

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メキシコで感じた“大らかな心”を大切に無農薬・無化学肥料の農業を目指す

ポコ・ア・ポコ農園
[茨城県那珂市平野1800−173]

Yutarist
和知健一さん

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 「こうして土に触れていると、農業を営んでいた祖父と一緒に田植えをした幼少時の楽しい思い出がよみがえります。少し回り道をしたけれど、好きな農業を仕事にできて幸せです」と和知健一さんは話します。


 農薬を使うことに最初から抵抗があったという和知さんが実践するのは、無農薬・無化学肥料の農業。肥料は米ぬか発酵肥料が中心で、落ち葉や鶏糞、牛糞などを使用。トマトを主に、ナス、レタス、ブロッコリー、ズッキーニ、ハーブなど全100種以上に及びます。「厄介ものとされる虫も生態系には必要なはず。大量発生の時は素手で捕まえますが、ある程度食べられてしまうことも想定して多く作っています」
 公務員の父を持つ和知さんは、大学の政経学部卒業後、企業に就職しますが、青年海外協力隊と就農を志し香川大学農学部に進学。日本農業実践学園、八ヶ岳中央農業実践大学校を経て、2004年から約2年間、青年海外協力隊員としてメキシコへ赴任しました。メキシコでは、トマト施設栽培の指導に携わったという和知さんは、実は大のトマト嫌い。
「青臭い味が苦手でした。でも、作るとなると食べないわけにはいかない。採れたてのトマトを口にしたら、熟した甘味がおいしかった。それに、トマトの栽培は難しい分、おもしろさもあり、今では約30種を栽培するほどになりました。メキシコの先住民が栽培していたトマトの原種も作りました」
 2007年6月の新規就農にあたり、苦労したことは販路の確保でした。現在はJAや近くのスーパー「かわねや」、東京や茨城のレストラン、個人の宅配などで販売していますが、今でも販路の拡大は課題。関心のある方は是非問い合わせてほしいと呼びかけています。
 さらに、化学肥料を使わない分、売り上げや生産量をのばす点での難しさがありますが、化学肥料を使わないからこそ、野菜が持つ生命力をどれだけ引き出せるかという可能性も広がります。そんな視点から、野菜が発する声を聞き逃さないよう、作物との対話を大切にしていきたいと話します。メキシコでは心の豊かさを学んだという和知さん。「物質的には貧しくても大らかで人生を楽しんでいる感じでした。日本は、物は豊かですが時間に追われて忙しい生活を送っている人が多い。あちらは儲けより自然や人とのつながりが大切なんです」と。自分の農園を「ポコ・ア・ポコ」と名付けたのは、スペイン語で「ゆっくりと」の意味で、メキシコで気に入った言葉だったという理由から。
 将来は、子供たちや消費者を農園に招き、生命に触れてもらえる体験型農園になればと考えています。(KK)


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