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[地方に暮らす。[益子編]] 記事数:10

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|第五話|温めてきた夢を形にした 小さなパン屋さんの物語 その2

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はじめは小さな一歩から
~pain de mushamushaができるまで



 「あまりお金もかけられなかったから、貸家の自宅の一部を改装することから始まったんです」
そう語るのはpain de mushamusha(パンドムシャムシャ)の店主である高橋昌子さん。パンドムシャムシャは益子町の中心から少し外れた森の中にたたずむ一軒のパン屋さん。絵本の中から出てきたようなかわいらしい建物と国産小麦や自家製酵母で作るパンの美味しさが評判を呼び、様々な雑誌などでも紹介された益子でも手作りパン屋さんの先駆け的存在です。
 高橋さんは幼いころからパン屋さんになりたいと思い、東京のパン屋に勤めた後、地元である茨城の笠間に戻ろうと思ったところ、益子のマクロビオティックレストランで働くこととなり、この益子に住むようになりました。そのレストランでの経験を経て独立を考えたとき、やはりパン屋を作りたい、でもなるべく負担を最小限にしたいと考えていました。「借金はしたくなかったので、賃貸なんだけど大家さんに相談したら快いお返事を頂けたので始めることができました。」そして自宅の一部を家族の協力のもとパン工房に改装し、オープン前に購入した業務用のオーブン以外は本当に家庭用の道具で営業を始めたそうです。


 パンドムシャムシャのパンは国産小麦をはじめ、益子や隣町の地粉、そしてレーズンから起こした自家製酵母を利用したものです。見た目も味わいもその店舗と同様にかわいらしく、ほっとするような素朴さがあります。当時益子には今のようにパン屋さんはほとんどなく自家製酵母のパンというのもまだまだ珍しかったのですが、口コミでお客さんも増え、営業も軌道に乗り、一年後には結婚を機に住まいをここから移しました。そして今まで住まいだったところをカフェスペースに改装し、そちらではパートナーである真尚さんが切り盛りすることに。真尚さんはそれまでの仕事とは全く違う仕事をすることになりましたが、コーヒーの勉強をし、豆の焙煎もするようになり、今では自家焙煎の珈琲豆の販売もしています。
 「最初は自宅で始めたから“たまたま”だったけれど、益子だったから続けられたのかもしれません」高橋さんはそう言いました。食への意識の高い人や何かを始めるために外からやってきた人が多い場所柄、興味を持って来てくれていたということ。そして観光客の人も雑誌やインターネットを見てわざわざ足を運んできてくれる。そのことでこの小さなパン屋さんが続けられたのだということです。
 「ゆくゆくはというか、できたらなんだけどサンドイッチ屋にしていけたらいいな。」自家製のパンと地元の新鮮な素材を使ったサンドイッチ。そんな風にムシャムシャの夢はパンのようにまだまだ膨らんでいきます。(寒河江絵美)
>第六話へつづく
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