妻の手を見てふと思う。
     とっても細い指。
     少し痩せた・・・て の ひ ら。
     毎日、大勢の料理をつくる手。
     毎日、たくさんの食器を洗う手。
     小さな畑で野菜を摘む手。
     洗濯物をたたむ手。
     生きるために働く手。
     僕は人知れずそのてのひらに
     愛おしさを感じている。

     子どもの頃に見た大人の手・・・。
     農家のおじさんも
     肉屋のおばさんも
     大工さんも・・・。
     大人の手は大きくて太くて皺だらけだった。
     自分も大きくなったらあんな手に
     なるんだろうと思っていた。
     大きくて力強い手が
     その人の働いた分の重みを刻んでいるんだと思ってた。
     でも、僕の手は働く大人の手にはならなかった。
     僕の手からはその重みや苦労を感じることはできない。
     僕の手はなんだかカッコ悪い。
     まだ、間に合うかもしれない。
     これからでも働く手を取り戻せるかもしれない。
     汗水流して土にまみれて・・・
     もしかしたら、ギュッと芋なんか握りしめてね。
     そしたら、自分のてのひらみつめて
     愛しく思えるのかな・・・頑張ったねって。
     ※写真はイメージです。
» Tags:てのひら(掌),
Trackback(0) Comments(6) by Yasumine|2008-09-04 16:04
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